どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第15章 ぼくからラビへ
【ラビside】
アユムからピアスを貰えたのが嬉しくて、本を読みながら左手で左耳を触る。そこにあるピアスの存在を確認してにやけそうになるけど我慢。
てか、ピアスが気になりすぎて本の内容が入ってこない。
こりゃダメだって思ってピアスに触れるのをやめて真剣に本を読む。
早く読まないと隣で待ってるアユムに申し訳ないからな。
それにしても、オレの誕生日を祝うためだけに急いで帰ってきてくれたなんて嬉しすぎるさ。
そのために帰ってきたって照れながら言うアユムが可愛すぎた。なんでこの子はこんなに可愛く笑うことができるんだろう?
なんでこの子に言われただけで、同じ『誕生日おめでとう』なのにこんなに嬉しいんだろう?
それはやっぱり、惚れた相手っていうのは違うのだろう。
それに、アユムに貰ったピアスをずっと身につけてたらアユムがそばにいるみたいに感じる。
オレはいつか教団を離れる。そしたらみんなに、アユムに会えなくなる。でもこのピアスがあれば、少しは近くにいるように感じられる。気持ちを伝える気はないけど、これくらいは許して。オレは自分の気持ちに蓋をするけど、このピアスだけは大切にさせて。
そして、本当にすごく嬉しかった。今までのどんな日よりも幸せだと思った。
きっと朝からアジア支部との行き来で疲れてるだろうに、オレのこと待つとか言うから急いで本を読まなければ!と思う。