どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第15章 ぼくからラビへ
「ピアス?」
「うん。前に無くしたみたいだったから。やっぱりラビは両耳ピアスかなって思って。」
「ちょっと持ってて。」
ラビはぼくがあげたピアスをぼくの手に置くと、左耳についてるピアスを外し始めた。
「はい、今度こっち持ってて。」
ラビは外したピアスをぼくの手に置いて、ぼくがあげたピアスをつけはじめた。
「どぉ?いい感じ?似合ってるさ?」
ラビは両耳にピアスをつけると満面の笑みでそう聞いてきた。
なんだよ。可愛すぎかよ。って思ったけどそんなこと口に出さない。
多分ぼくの顔、赤いけどそんなことはこの薄暗い図書館ではわかんないだろうなって思うからまっすぐラビを見る。
前までつけてたものとデザインはそんなに違わないから似合ってるもなにもないけど、
「うん、似合ってる。」
ぼくはそう答えた。
「やった。出てくるまで待とうとか思ってたけど、やっぱり違和感あったから買おうかなとか思ってたんさ。アユムに貰えてよかった!」
ラビはそう言ってまたニッて笑うから照れる。
「ラビが喜んでくれたならよかった。」
「うん、すんげぇ嬉しい!今までの誕生日の中で一番幸せだ。」
ラビがそんなこと言うから俯きかけてた顔を勢いよくあげてしまった。
そしたら本当に幸せそうに自分の耳を触ってピアスを確認してるラビが目に入って、ぼくの心臓はうるさいくらいにドクンッ、ってはねる。
こんなにうるさかったらラビに聞こえちゃうって思うくらいにうるさく。そして苦しいくらいにギュってなる。でも、そんなうるさい心臓の音も、苦しくなることも嫌ではなかった。
多分それは、ラビがくれた感情だから。ラビがくれるものならこんなうるさい心臓も誇らしく思える。なんて、バカみたいだなって思うけど、本当にそうなんだから仕方ない。
「ありがと。受け取ってくれて。喜んでくれて。」
ぼくはその感情をくれたラビに精一杯の想いを込めて言った。
「なにアユムがお礼言ってんの?ありがとうはオレのセリフさ。本当にありがとな。」