どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第15章 ぼくからラビへ
ぼくがきたのは図書館。
図書館の入り口の前に立つと息を整えるために深呼吸をする。
図書館に来てみたはいいけど、このだだっ広い図書館のどこにいるのだろうか。
ぼくは自分なりに定位置を決めてるから見つけやすいかもしれないけど、ラビがいつもどこにいるかなんてわからない。
でもラビがいつも読んでる本を見る限り、資料館の方かな?って思ってそっちに行ってみる。
「いないし。」
まさかね、と思いながらぼくはいつものぼくの定位置に行ってみた。
「いた。」
いた。本当にいた。
いつもみたいに本を積み上げて読んでた。
ぼくがいなくても、あの大量の本を持って一番端っこの資料館から、逆の一番端っこのここまで来ることに驚いた。けど、同時に嬉しかった。
ゆっくり音を立てないようにして後ろに回り込む。
いつもの仕返しのつもりでラビの頭を突っついてみた。
「うぉ、」
ラビはそんな声をあげながら振り向く。
「アユム?って、なんで団服?」
「そんなの任務帰りだからに決まってるでしょ?」
「今日任務じゃないって、昨日言ってなかったさ?」
「今朝叩き起こされて、アジア支部までお届けものしてきたの。本当は明日帰ってきてもよかったんだけど、今日中にやりたいことあってさっき帰ってきたんだ。」
「今日中にやりたいこと?」
「うん。だって、明日になったら意味ないからね。」
ぼくは図書館の時計を確認した。
23:15
あと45分。
まだ間に合う。
「ラビ、誕生日おめでとう!」
ぼくがそう言うとラビは目を見開いて固まってしまった。
「ラビ?」
ぼくはそんなラビが心配になって顔を覗き込む。
「アユム、オレの誕生日なんで知って……オレ言ったことないのに…それに、そのためだけに急いで帰ってきてくれたさ?」
「リナリーに聞いたの。本当に急いで帰ってきたんだから。はい、これ。プレゼント。」
ぼくは先週リナリーと買いに行ったプレゼントを渡した。
「開けていいさ?」
「うん。」