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どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中

第14章 巻き戻しの街


アレンが気がつくと、そこはミランダの部屋だった。


「あれ?ここは、…ミランダさんのアパート?どうして?さっきまでの場所は…はっ!あれも、ロードの力だったのか。」


アレンが1人考えていると、奥からリナリーの呼ぶ声。


「アレンくん!アレンくん!ミランダの様子がおかしいの!」


アレンはすぐさま声のした方へ走って行く。するとそこには、息が上がり、自身の肩を抱えたミランダがいた。


「どうしたんです?」

「ミランダ、ずっとイノセンスを発動したままなの。」

「発動を止めてください。これ以上は、あなたの体力が限界です。」


アレンもミランダの前にやってくるとミランダに声をかける。


「ダメよ…止めようとしたら…」


ミランダは一回止めようと試みる。すると、空に浮かぶ時計たちが元に戻ろうとし始める。すんでのところでミランダは発動を止めない。


「ハァハァハァハァ、発動を止めたら、吸い出した時間も元に戻るみたいなの…。ハァ。あなたたちハァ、また、あの傷を負ってしまうわ。あの傷を……ハァハァ…いやよ、私。私、初めて『ありがとう』って言ってもらえたのに、これじゃ意味ないじゃない。これじゃ…!!」


ミランダはボロボロと涙を流しながら言う。
アレンとリナリーも静かに話を聞いた。

アレンはミランダの肩に両手を乗せると、発動を止めて。と言う。


「止めましょう、ミランダさん。」


顔を上げたミランダに微笑みながらアレンはまた言った。


「あなたがいたから、今僕らはここにいられる。それだけで十分ですよ。」

「あなたがイノセンスを発動してくれなければ、私たちはあの空間から出られなかった。生きていなかったわ。自分の傷は自分で負うものよ。」


リナリーの言葉にアレンは頷く。


「ええ。生きていれば、傷はいつか癒えるんです。」

「ミランダ、傷は生きていれば癒えるの。だからお願い。止めて。」


リナリーはそう言い、ミランダの手を握る。
そしてミランダは発動を止めた。
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