どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第14章 巻き戻しの街
急にドームの中からアレンの手が伸びてきて、リナリーを椅子ごと掻っ攫う。
リナリーはアレンの呼びかけには答えない。目に光がない。
「アレンくん、リナリーちゃんは?」
「大丈夫、外傷もほとんどない。多分、音波系AKUMAの攻撃で神経が麻痺してるんだと思います。」
「そんな!全然大丈夫じゃないじゃない!?」
「大丈夫、この中にいれば。」
リナリーから時間が吸収されていき、リナリーの目に光が戻る。
「私、夢を見てた。」
「どんな夢だった?」
「昔の夢。でももう覚えてないわ。」
「夢も吸い取られたのかな?」
「吸い取られた?」
ミランダはアレンの言葉を繰り返す。
「まだ気付いてないんですか?僕たちはミランダさんのイノセンスに助けられたんですよ。」
「わ、私、私が?」
「あなたが発動したイノセンスが攻撃を受けて、傷ついた僕らの時間を吸い出してくれたんです。」
「私のイノセンス…」
「ありがとう、ミランダさん」
ミランダは生まれて初めてありがとうと言われた。そして、感極まり涙する。