どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第14章 巻き戻しの街
「いやぁぁぁ!何、あの化け物は。なんだったの?あれ。白髪の子だって手が手が。」
ミランダは家で1人叫んでいた。その時ドアが開いた。
「いやぁ!どっから入って来たのぉ?」
ミランダは部屋の奥へ逃げる。
「あの、普通にドアから。鍵が開いてて。」
アレンは呆れて言う。
「勝手に入って来ないでぇ!」
「ノックしたんだけど、返事がないから中で倒れてたりしないかしら?って。」
リナリーも呆れて言う。
ミランダは目に涙をいっぱい溜めている。
「ねぇ、ミランダ。落ち着いてミランダ。」
ミランダは近寄るリナリーから距離を取る。
でもミランダの乗っていた机が倒れ、ミランダは地面に突っ伏す。
そのとき、ミランダの首にかけていたチェーンが切れ、それに通してあった時計の回しネジが飛ぶ。
「馬鹿みたいでしょ?こんなもの大事に持ってて。」
リナリーはそう落ち込むミランダを元気付ける。
ミランダは昔を思い出し、語り出した。
彼女は昔から何をやってもダメだったという。他人から『ありがとう』と言われたことがない。それはつまり、誰の役にもたってない証拠。認めてもらいたいという欲求がミランダの中に生まれていた。
そんな時、彼女はある時計を見つける。中古屋だろうか。そこにあった時計はネジが回らないために捨てられるところだった。そんな時計を自分と重ねるミランダ。でも、ミランダがネジを回すとその時計は動いたのだった。時計の鐘の音が、ミランダにとっては自分を認めてくれたように感じられたのだ。この時計だけは自分を必要としてくれる。だからこれが自分にとって一番大事なものだ。
彼女はそう語った。
「僕たちもあなたのことが必要です。」
アレンはミランダにイノセンスやAKUMAなどについて説明した。
ミランダはそんなものに接触した記憶はないと言う。
しかも、アレンの説明にビビり、全てをアレンたちに投げ出そうとする。
現実逃避に時計を磨き始める始末。
「『明日』に戻りましょう。」
アレンのその言葉に振り返る。
アレンは顔の前で手を合わせ微笑む。