第1章 気がついたらユーレイが見えるように!?
つい最近までは平凡な女だった。実家から職場へ通い、休日は趣味の二次元にぼっとうする。そんな日常が不意に崩れたのだ。その現象が初めて起きたのは、一人暮らしを始めた頃からだった。引越し1日目、気持ち新たに家から職場へと向かった私は、なんてことないいつもの仕事を終えて、帰宅したのが18時30分。
最近は働き方改革とか言って早く帰れることがオタクには嬉しいと思いながら、最近マイブームがゴーストハントなこともあって、今日も夢小説捜索へと全神経を注いでいた。もっぱら読み専な私は、供給が追いつかないこともあって、いくつかジャンルをルーティンしている。まぁ、そんなことはどうでもいいんだけど。
それが起きたのは携帯片手にお風呂に入っている時…確か、21時過ぎだったと思う。視界を一瞬通り過ぎた何か。
虫か!?と身構えて耳を澄ませるも、羽音や気配はない。だからと安心できないのがあいつらの悪いところである。最初は視界だけを動かして自分の見える範囲にいないことを確めると、ゆっくりと体ごと全体を見渡す。
「っつ!?」
ふわふわとそれはゆっくりと浮遊していた。白い炎みたいなそれはゆっくりと鏡の方へと近づくと吸い込まれるようにして消えた。あまりの驚きに声も出せずにその鏡を見つめること数十分。ようやく脳味噌の処理が追いついたらしい…人生まれにみるくらい遅い情報処理だったとここに明記しておく。私はゆっくりと風呂場から脱出すると、自分の部屋の布団へと潜り込みただただ今見たものをネット検索した。
「・・・鬼火?もしくは火の玉。人の魂のこと…。んなばかな。」
私は今まで心霊体験だとか、ユーレイだとか二次元のおかげで興味はあれどもそんな現象に遭遇したことはない所謂、0感だ。それが突然何が起こったのだろうか。もくもくとその手の情報をネットサーフィンしているとある項目に目をかっぴらくこととなった。
「オリヴァーデイビス‥?ってゴーストハントのナルのことだよね?」
携帯の画面はオリヴァーデイビスの超能力実験についての記事。コアなファンのまとめサイトというか、個人的なブログサイトに近いが、さすがに漫画の登場人物でこんなサイトを作ったりはしないと思われるそこにその名前を発見して、混乱と疑心感にまたもや固まることとなった。
