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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第2章 煉獄杏寿郎という男


家に着くと出迎えたのは私の専属のメイド


いくら回復したとはいえ流石に帰るだけでも疲れてしまう

夕食はいらないと伝え部屋へ行き部屋の中央にある天蓋付きのベッドにボブっと埋もれる


着替えなくちゃ


と思っても疲れのせいか体が思うように動かない気づいたら眠ってしまっていた


コンコンというノック音で目が覚めた

時計に目をやると針は11時を指しており一体こんな時間に誰だと思いながら返事をした



「はい」


「よもや!失礼するぞ!」



ガチャリと部屋のドアを開けて入ってきたのは燃えるような髪色が特徴の私の許嫁である煉獄杏寿郎

同じキメツ学園に通う1年生である



「杏寿郎...こんな時間にどうしたの」


「いや、君のメイドから酷く疲れた様子だったと連絡が来てな...夕食も取っていないらしいな

何かあったか?」



ベッドに腰をかけ私の頬を撫で心配した様子で尋ねる杏寿郎



「ううん、疲れが溜まってただけだから平気よ」



まさか、先輩とそういうことをしたなんて口が裂けても言えないのでシラをきる



「よもや、本当に大丈夫なのか?」


「杏寿郎は昔から心配症ね、大丈夫よ」



クスリと笑って大丈夫だと言ってみせるとようやく安心した様子の杏寿郎

なんでも見通しているかのような目で見つめられて一瞬ドキリとしたが平然を装った



「今日は泊まっていくの?」


「あぁ、そのつもりで来たからな」


「なら部屋を準備させるから少し待って」



メイドを呼ぼうとしたら手でそれを阻止される



「いや、今日は君と眠りたい」



手を引かれあっという間に杏寿郎の中に収まり抱きしめられる
服越しに少し高めの体温が伝わってきて思わず私も首に手を回し抱きしめ返した

少しの間そのままの状態でいると突然スンスンと私の匂いを嗅ぎ出した杏寿郎



「?どうかした?」


「いや、君から嗅いだことの無い匂いがするんだが」



心臓の辺りがぞわりと嫌な感覚になると同時に

まだ、先輩の匂いが残ってるんだ

という考えが頭の中にあって、このスリルを楽しんでいる自分もいると認識した
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