第1章 不死川実弥との出会い
3月初旬
図書室から校門で最後の別れを惜しむ3年生の姿を見る
校門の脇に咲く桜の木の大木は新しい門出を迎えた彼らを祝福するかのように散っていた
大勢居る3年生の中から一際目立つ銀髪の彼の姿を見つけ胸がぎゅっと締め付けられる
彼の隣に居るのは私ではなく彼女である同じ3年の胡蝶カナエ
彼女に優しい笑顔を向ける彼の姿を見てなぜあのように美しい彼女がいながらあんな事をしていたのだろう
いくら考えても答えは返ってこないし分からない
明日からは彼らはいないしもうこの学校へ来ることも無い
そう思うとどこか安心した自分もいるし寂しいと思う自分もいる
自分も大概だな
そう思いながら3月の春の風に吹かれ彼との思い出...
と言ってもろくなものでは無いがそれに目を閉じ思いを馳せた