第1章 夕日
桃井side
寝てしまった白井さんを移動させるべく、抱っこしてみた。
私はまた驚いた。
桃「え?…何?何でこんなに軽いの…?;」
青「さつき?;」
桃「…後で話すね;」
白井さんの体は軽すぎる。
軽いっていうか…何も食べてないよね?;
そう思うくらいに、この子の体は、病的に軽かった。
とりあえず空いていたベッドに白井さんを寝かせてから、消毒したり、綺麗に硫酸らしき液を拭き取ったりしていた。
桃「この子…硫酸がかかってたのに…もう傷が閉じてる…?」
傷はあるものの、通常ならば皮膚が溶けてもおかしくないような状態なのに、皮膚も原型を保っている。
桃「…綺麗な子…」
気がつけば、そう呟いてた。