第10章 冬、めぐる狐日和のなかで
「なんで断っちゃうんだよ〜〜有沢」
俺と水色、有沢の3人は河川敷を離れ駅前通りまで戻ってきていた。
俺はてっきり石津さんや一護達を手伝えるんだって張り切っていたんだ。
でも前を歩く2人は、そうじゃないらしい。
有沢が何かあれば言ってとひと言告げて、俺の背中をグイグイ押しながら、みんなとは河川敷で別れていったんだけど。
俺の少しの不満と残念な気持ちが、口をついて出てきてしまうのだった。
「なんでも何も、私もあんた達もよく知らないことなのにいきなり首突っ込めないでしょっ!」
「そうだとして、一護や石津さんから声がかかってからでも遅くないって言いたいんじゃないかな?僕も手伝えるならそうしたいけど、迷惑かけたくはないから。」
聞けば確かな理由と正論が返ってきて。
いや、うん。
わかってはいるんだ。
俺だって迷惑かけたくない。けど出来るなら手伝いたい。
少しでも、友達だから力になりたいって思ってしまう自分がいる。
「確かにそうだけどさ〜。でも何か出来ることあるかもしれないじゃんか。」
「そうなったら、全力だしてやるでしょ」
「……だね。」
当たり前に返ってくる有沢と水色の言葉に、下がっていた気持ちも上向く。
自分だけじゃなく、2人もみんなのためにと考えていたんだとわかって嬉しかった。
「よっし、なんか食って帰ろうぜ!」
「浅野の奢りならいくわよ?」
「右に同じ」
「…………まかせなさいっ!」