第10章 冬、めぐる狐日和のなかで
放課後を告げる予鈴と共に、クラスが賑やかになる。
家庭科の授業は結局、手付かずのままになってしまった。
が、今は他のことで頭がいっぱいなんだ。
3日とは長いようで過ぎるのは早くて。
英尚おじいちゃんとの約束の日。
彼が辿ったであろう生前の事柄を私なりにまとめたノート。
時間をかけて読みたいからと、3日後の今日にまた会う約束をしたのだ。
生前の記憶でおじいちゃんなりに、心残りがあるような……そんな気がして。
大切な何かを、例えば夢でみた女性のことを思い出してもらえる一助になればいいと、私は思っている。
でも1人では、それは簡単には見つからないから。
黒崎さんたちにも力を貸してもらうために、お願いをしたらば、二つ返事で大丈夫だと返してくれた。
逆に手伝わない理由ないだろって半分呆れ顔されてしまったのだが、私には有り難かった。