第10章 ※まさかのエピローグ
ここはロンドンキングスクロス駅からほど近いエンジェル市郊外。
周囲には昔ながらのパブやバー、またカフェやマーケット、そして少し歩けば公園なども存在する、比較的治安が良く住みやすい街だ。
そこに住むのは三人――ハリー・ポッター、シリウス・ブラック、そしてクリス・グレイン。
この三人での生活は、長年の夢だった。特にシリウスは可愛い二人の子供と一緒に暮らせる日が来たことに、感涙して喜んだほどだ。
もちろん、ヴォルデモートが消え去ったと言っても、戦争の傷跡はあちらこちらにあった。ルーピンを失い、フレッドを失い、他にも多くの大切な人を亡くした。それでも前を向いて歩こうと決め、この家に引っ越してきたのだ。
そして今日、ようやく家具や日用品なども買い揃え、客人を招く準備が出来上がった。
「ねえ、誰が一番最初にドアを開けると思う?」
新居祝いの日、訪問者が扉の前に立つと、ポーチの空気は一気に賑やかになった。
今日呼ばれたのはいつも通りロンとハーマイオニー、そして――ドラコ・マルフォイだった。
「やっぱりクリスかな?アイツ変なところ負けず嫌いだし」
「それを言うならシリウスも同等だぞ」
「あら?私は、この家を選んだのはハリーだって聞いていたけれど?」
果たして一番初めにお客様を出迎えるのは誰か。わくわくしながら待っていると、ドタドタと慌ただしい足音が複数聞こえてきた。そして――
「やあ!皆、今日は来てくれてありがとう!!」
扉を開けたのは、シリウスだった。その後ろで、クリスが悔しそうに顔をゆがめている。
「ズルいぞシリウス!寸前で姿現しするなんて!!」
「魔法を使ってはいけない、なんてルールは無かったはずだ。あるのは『一番初めに玄関に着いた人』それだけだ」
相変わらずなシリウスの言動に、一同はそろってため息をついた。
大人げないにも程がある。——が、それと同時に、誰よりもこの日を待ちわびていた証拠でもある。