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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第7章 誰のせい?② ジェイド・リーチ


目の前には私服を着たジェイド先輩がいた。
茶色にチェックが入った薄手のコートを着て、藍色の濃いジーンズを履いているシンプルなコーデなのにまるでモデルが着こなしているようなオーラがある。

「奇遇ですね、こんな所でどうされたんですか?」

ニコ、とその笑顔を向けられるとまた泣いてしまいそうになる。
私は唇を噛んで下を向いた。

「また、彼のことですか?」

ジェイド先輩は私の横に腰を下ろして、顔を覗き込む。

「はい…今日は久しぶりのデートなのに、すっぽかされちゃいまして」

「あぁ、どうりで可愛らしい格好をしてるんですね」

可愛らしい。
お世辞で言われたに違いないのに、こんなにも心を満たしていく。

「こんなにも可愛らしい貴女を放って他の女に行くだなんて…彼氏さんはどうかしています」
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