第7章 誰のせい?② ジェイド・リーチ
目の前には私服を着たジェイド先輩がいた。
茶色にチェックが入った薄手のコートを着て、藍色の濃いジーンズを履いているシンプルなコーデなのにまるでモデルが着こなしているようなオーラがある。
「奇遇ですね、こんな所でどうされたんですか?」
ニコ、とその笑顔を向けられるとまた泣いてしまいそうになる。
私は唇を噛んで下を向いた。
「また、彼のことですか?」
ジェイド先輩は私の横に腰を下ろして、顔を覗き込む。
「はい…今日は久しぶりのデートなのに、すっぽかされちゃいまして」
「あぁ、どうりで可愛らしい格好をしてるんですね」
可愛らしい。
お世辞で言われたに違いないのに、こんなにも心を満たしていく。
「こんなにも可愛らしい貴女を放って他の女に行くだなんて…彼氏さんはどうかしています」