第3章 リンドウを貴女に ジェイド・リーチ
そう言ってジェイド先輩は胸元のポケットから写真を1枚取り出した。
その写真には綺麗な紫と藍色の間をした花が写っていた。
「綺麗な色ですね、なんという名前何ですか?」
「リンドウと言います。とても綺麗なのですが、根がとても苦いそうですよ」
「へぇ…」
吸い込まれそうな深い色をしたリンドウに私は魅入ってしまっていると、ジェイド先輩が私に写真を差し出した。
「そんなに気に入ったのなら差し上げましょうか?」
「ええっ、良いんですか?」
「えぇ、部屋にもありますし」
「ありがとうございます」
私はありがたく写真を受け取り、胸ポケットの中に閉まった。
思いがけない形見を貰ってしまった。