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 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第3章 リンドウを貴女に ジェイド・リーチ


「ジェイド先輩」

昼下がりの庭。
優しい緑色をした芝生にぽつりと咲くタンポポ。
柔らかい風が吹き抜けていった。

「はい、何です?」

この時間は大体、ジェイド先輩と過ごすことが多い。
グリムはエースとデュースと遊んでいるし、何よりジェイド先輩と一緒にいると心が安らぐ。

「もし、私が帰れる鏡を見つけたって言ったら…どうします?」

私はジェイド先輩の方を向いて問いかけてみる。
ジェイド先輩は表情を変えずに私を見つめると、ニコリと目を細めて笑った。

「その鏡を壊しますかね」

「ひえっ…」

ジェイド先輩ならやりかねない。
そう思ったが、きっと冗談だと私は自分に言い聞かせる。

「その話は置いておきまして、私、最近、山で見かけたこの花が好きでして」
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