第19章 密会
熱くて甘くて切なくて苦しい。感情が渦になって体に流れ込んでくるような、昔とは違う成熟した熱量を感じた。
木ノ葉で過ごした時よりお互い歳を重ねている。はにかみながらキスをしていたあの頃とは違って当然かもしれない。唇を離し間近で大人びた顔つきの彼を見てそう思った。
会えて嬉しいと思ってくれているの?今でも以前と同じく慕ってくれているの…?
サスケとの距離の近さに今更ながら動揺して目線を落とす。服を中途半端に羽織った状態のはだけた胸元から色気を感じ頬が染まった。
すると、こっちを向けとばかりに顎を掴まれ強制的に視界を戻される。赤くなった顔を彼に正面からじっと見つめられて、恥ずかしさで余計に火照ってしまう。
再び唇が重なった。次第に深くなっていく口づけに頭がぼうっとして、気が付けば腕を取られサスケの唇が首筋へと下りていく。彼の息遣いを間近に感じて、鼓動が相手に聞こえそうに鳴り響く。彼の手がシズクの体をつたい、むしり取るように服に掛けられた。
「あっ…」
思わず身をよじると、服を引き剥がす手が不意に止まった。
「…駄目か?」
こんな状態でも了承を得ようとするのは律儀で彼らしく、昔のサスケを思わせるかのようだが、簡単に答えられるものでもない。シズクが言葉に詰まる様子を見て、返答を待ちきれないのかサスケは質問を変えてきた。
「……嫌なら逃げろ。逃げられるんだろ?」
服が剥ぎ取られ、急くように彼の腕が背中に回され引き寄せられる。シズクの胸に顔を埋めるサスケに小さな声で答えた。
「…ずるい」
逃げないって分かってるんでしょ…?
それだけ言い返すのがやっとだった。肌に直接唇を当てられ、甘い刺激に息が乱れてこれ以上は上手く喋れない。舌でなぞられる度にびくっと体が震えた。
「あぁっ…ん」
シズクの素直な反応に一層激しい愛撫が続く。触れられる程益々体が熱くなってたまらなくなる。
突然こんな風に求めてくるなんて思わなかった。恥ずかしくて消えてしまいたい気持ちと、サスケを受け止めたい想いが交錯する。彼を近くに感じられることに喜びを見出している自分がいた。行為が進むにつれもう何も考えられない程に、彼の与えてくる熱に溺れていった。
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