第15章 決別
「…シズク」
やや落ち着きを取り戻した声で、サスケが再び口を開く。
「今日お前が俺に言った事、あれも…嘘なのか?」
葬儀の後の会話を思い出してシズクの胸が跳ねる。
会えてよかった…
あの言葉はスパイとしてではなく、自分自身の心から生まれた純粋な気持ちであった。
「…あれは、ほ…」
「忍法蝦蟇口縛り!」
会話の途中で突然視界が一変し、町の路地が洞窟のようなごつごつした壁の内部に変わっていった。術をかけられたらしい。
「伝説の三忍の術…」
辺りの光景を冷静に見極めたイタチが呟き、瞬時に判断する。
「鬼鮫、来い!」
大蝦蟇の食道を呼び寄せ敵を捕縛する術だ。その食道が壁となってこちらへ迫ってくる。足元から食道に飲み込まれそうになるのを振り切って走り出すイタチ。彼が手を離さないため、シズクも半ば引きずられながら走る。
こうしてナルトとサスケは自来也に助けられ、シズク達は術から逃れて一旦退く事になった。
あの言葉は本物なのに……もうサスケとは会えないの…?
.