第13章 木ノ葉崩し
先程のシズクの言葉に偽りはなかった。イタチのことは好きだった。彼が暁のメンバーであっても、両親と一族を皆殺しにした裏切り者であっても、彼への感謝の気持ちは変わらない。
イタチはシズクと二人きりの時だけ、ふとした瞬間に柔らかい表情を見せる。その表情を見るのがシズクは好きだった。
…うちはを全滅させたのも何か理由があるんだと思う……確かにどんな理由であれそれは許されない事かもしれない。でも…サスケは生きてる。サスケがイタチ様に勝てる訳ないんだから、イタチ様がわざとサスケを殺さなかったんだ。
視線を窓辺に移してシズクは暮れかかった空を眺めた。
…だから、お願い…サスケ、イタチ様を殺すなんて言わないで……
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