第8章 暖かな夜
その後、サスケが風呂場へ行っている間にシズクはいつしか眠ってしまっていた。日々の疲れもあるが、気の許せるこの環境に眠気を促されたようだ。それは誰かがいてくれるという安心感からかもしれない。
目が覚めるとまだ陽は浅く、上体をゆっくり起こしたシズクは自分がベッドにいることに気が付いた。
サスケのベッド…?運んでくれたんだ。
薄暗い部屋で目を凝らすと、サスケはリビングのソファで横になっていた。起こさないように忍び足で家を出る。
たった一晩だけでも、暖かい夜を過ごせた気がしていた。それだけで心が満ち足りた。
今は一人じゃない…イタチ様やサスケや、木ノ葉のみんながいる。永遠に続くものではないけれど、今だけはそう思っていいよね…?
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