第4章 復讐者
「…なんで……そんな話、あたしに…」
「お前が話したから俺も話した、それだけだ」
まさか自分の仇とシズクが手を組んでいることなど知る由もないサスケは素直に短く言い切った。願望などの生ぬるい夢物語ではない、まして冗談でもない、それは決意の表明だ。初めて見せる、彼の覚悟を決めた真剣な目を見れば解った。
その後それぞれに修業を始めたが、シズクは身が入るはずもなかった。複雑な心境にならざるを得ない。
……そんなこと聞きたくなかった…でも、サスケがそう言うのも不思議はない…
似た環境を持つ彼の思いはよく理解出来た。だがその憎しみの向く相手は自分の大切な人だ。二人の関係が、憎しみ合いぶつかり合う図となっていったら…その予感はシズクの心を痛めつけた。
本来なら自分を救ってくれた主であるイタチに味方し、サスケの野望を阻止するところだ。いや、そうしなくてはいけない立場にある。しかしシズクは不器用ながらも優しく接してくれたサスケに対し、もうそこまで割り切ることが出来ない気がしていた。
二人が対立した時、自分はどうすればいいのか。まだシズクには答えは出せなかった。
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