第10章 君と見たい未来
ひなこの作ったごはんと
ひなこの笑顔
欲しかったもの全部が
目の前にあるのに
こいつだけが
邪魔や……
俺の彼女やのに
「ひなちゃんの作るご飯は
何でも美味しすぎるわ…
俺を太らせてどうする気なん笑?」
「丸山さんは本当にごはんを
美味しそうに食べますよね?
おかわりいっぱいありますからね」
て…
何なんこの会話?
イライラし過ぎて
美味しいはずのご飯まで
全然味がせぇへんし…
ひなこと一緒に
食欲まで奪われて
不機嫌にソファーに座り込むと
そんな俺に気付いた丸は
「お腹もいっぱいになったから
先に帰るね?
あとは2人で仲良くしてええよ笑」
なんて無駄に笑顔を振りまいて
そそくさと家からいなくなった