第3章 新しいおもちゃ
右手を引きずられるままに
大倉様の車の助手席に押し込められ
諦めモード全開で
どんよりと隣に目を向けると
どんなに嫌なやつで人の話を聞かない
俺様やろうでも…
やっぱりアイドルだけあって
運転する横顔さえ
なんとも言えず男前で
ぼんやりとその横顔を見つめていると
「いくら俺が男前でも
穴あきそうやから
あんまり見つめんといてくれる笑?」
なんて前を向いたままかけられる
大倉様の言葉に
我に返り
慌てて窓の外に目を向けると
そんな私の頭に大きな手が触れ
「わかりやすいなぁ…ひなこは笑
冗談やからこっち向いて?」
そんな言葉と一緒に
わしゃわしゃとかき回される髪に
「やめてくださいよ…もう…:」
そう言って頭に置かれた手を
払い除けると
”あっはっは…“
なんで言う聞き慣れた笑い声と一緒に
「ひなこはいちいち反応が可愛いなぁ…笑」
そう予想がに放たれた言葉に
不覚にもドキッとしてしまったことは
絶対に秘密にしておこうと
この時私は硬く心に誓ったんだ…笑