• テキストサイズ

ライオンベイベー![ハイキュー!]

第1章 ライオンの王子様


学校終了のチャイムと共にバッグを掴んで教室を飛び出す。クラスメイトから名前を呼ばれた気がしたけど、止まってなんかいられない!

だって今日は部活がない日だからたくさん一緒に居られる。
一分一秒無駄には出来ない!

「待ってて繋にぃ…っきゃあ!」

早く会いたい一心で走っていると、下駄箱の前で誰かにぶつかりそうになって慌てて急ブレーキをかけた。

…が、足がもつれてそのままぶつかってしまい目をキツく閉じて来るだろう痛みに身構えていたが…一向にその気配がない。

不思議に思って目を開けてみると、目の前には誰かの制服。

ワイシャツみたいだから女子生徒ではないらしい。もう少し上へと視線を上げると…ヘッドイヤホン?

あれ…これってもしかして…

「ねぇ。ぶつかっておいてごめんの一言もないわけ?」

「え、あっ、ごめんなさい!」

「はぁ…ちゃんと前を見て走りなよ。たまたまぶつかったのが僕だったから良かったけど、女子生徒だったら怪我してたんじゃない?」

「うぅ…その通りです。えっと月島くん…だよね」

「…同じクラスなんだから名前くらい覚えなよ。ところでさ、いい加減離してくれない?」

「へ?うわっ!ごめん!」

その人は同じクラスの月島蛍くん。

月島くんが咄嗟に受け止めてくれていたから転ばずに済んだみたいだ…言葉とは裏腹に優しい人みたい。

怪我もしてないみたいだしホッと胸を撫で下ろしたが、彼に抱き付いてしまっていることに気が付いて慌てて手を離すとまた月島くんにごめんなさいと頭を下げた。

「じゃあ私、行かなきゃなんないとこあるから!また明日ね!月島くん、受け止めてくれてありがと!」

「…はぁ…何あれ」

「あれ?ツッキーどうしたの?あの後ろ姿って…橘さん?」

「…うるさい山口。別に何でもない」

「あ、待ってよツッキー!」

今度こそは誰にもぶつからないように気を付けながらお店へと急ぐ。

学校からすぐのところに目的のお店が見えてきて走るスピードを緩める。入る前にちゃんと身なりを整えなきゃ。

私だって年頃の女の子になったんだから…
それを今日こそ認めさせなきゃ!!

気合を入れるとお店の扉をガラガラと開けた。

「こんにちは!繋にぃ会いに来たよー!」

店内に入るや否や我慢出来ずに、金髪にカチューシャ姿の彼を見付ければ後ろから抱き付いた。
/ 12ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp