第7章 猛れ!体育祭!
「……すまなかったな。2日酔いだわ。」
「また来年ですね。」
申し訳なさそうに話す宇髄に舞は苦笑した。
いつも身嗜みに厳しい宇髄が、髪を乱して疲れきった様子なのは、本当に頑張っていたから。
その事を知っている舞は、宇髄の二日酔いを認め、許すしかなかった。
「お前、二日酔いとか馬鹿だろォ……」
「俺だったら恥ずかしくてこの場に居られんな!」
ははは!!と豪快に笑った煉獄は、確実に宇髄の傷を抉った。
冨岡と不死川はというと、呆れた様子で未だ元気の無い宇髄を見つめていた。
「先生、元気出してください。次閉会式ですよ。」
行きましょう?と小首を傾げて宇髄を慰める舞。
なんて可愛いやっとなんだ、と感傷に浸る宇髄だったが、それもほんの一瞬。
「お、もう終わりか。んじゃ、行こうぜ」
「うむ!二日酔いの奴は放って置こう!」
「じゃあな。宇髄」
「え?ちょっ、宇髄先生が…」
宇髄を後ろから囲んでいた3人が舞の手を引き行ってしまうのだ。
当然焦る舞は、時折宇髄へと振り返るが、それはあえなく阻止され連れていかれる。
「待てよお前ら、え?ま、待てよォォォォ!!!!」
その日1番大きかったであろうの宇髄の絶叫は、校庭中に響き渡ったという。