第7章 猛れ!体育祭!
「せっ、せんせ〜っ!!!」
「おっしゃ!まかせろ!」
舞から受け取ったバトンを握り締め、宇髄は駆け出した。
このラストコースはアンカーであり、他部活も選りすぐりの選手を選び配置する。
(よし!このまま抜かして行きゃあ1位は確定だぜ!!)
ただ__。
風を切り黄色い歓声を浴びる宇髄は、ある1つの事を忘れていた。
「うぉっ!?」
込み上げてくる不快感。自身の吐息から感じる仄かな酒の香り。
そう、二日酔いである。
(これ以上加速したら俺は……俺は…!!!!)
舞が見ている。アイツらも見てる。
こんな情けねえ形で終わらせたくねえ!!!
けど……俺は今、ド派手にぶちまけそうだぜ!!
顔面蒼白で走る宇髄の姿に観客達は誰も気づく事はない。
はあ"、はあ"、と異様なくらいの荒い呼吸の宇髄は段々と順位を落としていく。
「先生〜っ!!頑張って〜っ!!」
今の状況で、舞の応援が聞こえるはずも無く……、見事、十幾つの部活のうち、8位に入賞したのであった。