第7章 文化祭という名の…
『え?みんな…』
どうしたのと言おうとしたが、いきなりあっ君があたしをお兄ちゃんの手から引きはがした。そしてそのままキセキの皆の後ろに隠された。
「朱音に何をしている」
「そーッス!朱音っちに暴力振るうなんて許さないッスよ」
「女性に暴力を振るうとは、なさけない大人だな」
『ちょ、ちょっと待って皆!その人たちは…』
「朱音は黙ってろ」
口々に言う征ちゃん、涼君、真ちゃんに弁解しようとしたけど、大ちゃんの一言によって制圧された。
兄「あー、何?君たちこそ朱音のなんだよ」
健「ちょ、落ち着けよ智也」
お兄ちゃんは優しいけど、人に馬鹿にされることが大嫌いだ。一回キレてしまえばそう簡単に止められない。スイッチが入る前に止めないと。
「アンタこそ朱音ちんの何?あんまし調子に乗ってると、ひねりつぶすよ?」
あわわわ、あっ君まで何言ってんの!そうだ!あの子なら…と頼みの綱の彼を探す。
「…お久しぶりです、智也さん」
急に現れた水色の少年との声に周りが驚く。いつからいたのかと声が聞こえる。もちろんテツ君は最初からちゃんといました。
智也「あ?なんだ、誰かと思えばテツじゃねーか。暫く見ないうちに少し大きくなったか?」
少しは余計です、と機嫌が悪くなるテツ君と、久しぶりにテツ君と会えたのが嬉しいのか、上機嫌になったお兄ちゃん。
「え!?ちょ、どういうことッスか、黒子っち!?」
「どうもこうも。智也さんは朱音さんのお兄さんです」
「「「「あ、兄貴ィぃぃ!?」」」」
驚いて大声を出す真ちゃん、大ちゃん、涼君、あっ君。征ちゃんだけは目を丸くするだけで済んでいた。