第7章 文化祭という名の…
茉実と文化祭を楽しんだ後、集合時間になったために茉実と別れ、控室に向かった。そこにはもう全員がいた。遅れてごめん、というと、まだ時間は過ぎていないから問題ない、と征ちゃんが言ってくれた。それから実行委員の二人から3通の封筒をもらう。何これ?と尋ねる前に、ミスコンとミスターコンの結果ですと教えてくれた。あたしと征ちゃんはこれに書いてある結果を発表すればいいだけみたいだった。
ステージに上がるため中庭に出ると歓声が上がった。きっと隣にいる征ちゃん目当てなんだろう。中庭は体育館を少し小さくした大きさ。それでもかなり大きい。そんな場所に溢れんばかりの人。そして中庭を囲む教室のベランダからも隙間無しに人がいた。それにしても男子からも人気があるとは、恐るべし征ちゃん。
『さて、お待たせしました!皆さんお待ちかね、ミスコンの優勝者、ミス帝城とミスターコンの優勝者、ミスター帝城が決まったようです!いかがですか、赤司君!』
「そうだな、僕としてはあいつがミスター帝城にならないことを祈るだけだな」
「ちょ、それって俺のことッスか!?ひどいッス!」
征ちゃんがさらっと言った一言はステージ裏で名前を呼ばれることを確信しているようなあいつ、つまり涼君にも届いていたようだ。涼君は大きな声で反論する。それが聞こえて会場からは笑いが聞こえた。
『あはは…じゃあ皆さんも待っているようですから、ちゃっちゃと結果発表に移りましょう!それでは3位から。ミスコンの結果はあたしから、ミスターコンの結果は征ちゃ…じゃないや、赤司君から発表してもらいます』
あたしたちは生徒会長という上に立つ者。一応皆の前では、となり互いに苗字で呼ぶことにしていた。それが涼君の登場でいつもの雰囲気に戻ってしまい、失態を犯してしまった。
「それじゃあミスターコンの3位からだ。第3位、鈴城中3年2組、佐藤大祐君。おめでとう」
パチパチと拍手が響く。佐藤先輩は嬉しそうにステージに上がり、征ちゃんから賞状と賞品を受け取った。続いてミスコン第3位の発表です、とあたしが続ける。征ちゃんと同じように賞状と商品を渡して、残るは優勝者だけとなった。