第7章 文化祭という名の…
私は昔のことを思い出していた。朱音に憧れて始めたバスケ。こんなにも楽しいモノだとは思わなくて、今では必死になって上手くなるために練習をしている。私の人生をここまで楽しくさせてくれたバスケ。それを与えてくれた朱音には本当に感謝している。
だから、私は朱音に幸せになってもらいたい。朱音は可愛いし性格もいい。優しくて強い。頭もいい。だから、モテる。だけど朱音はバスケ以外に興味は無い。それに、今までは告白とかしても後にはファンクラブという枠に収まっていた。だから私も気にしてはいなかった。
だけど今回は違う。
キセキの世代の人に好かれてしまった。魅力がある朱音に惹かれるのは分かる。だけど、やっぱり朱音は渡したくないという思いが私の、私たちバスケ部の中にはあった。だけどそれは私たちの我が儘。以前、合宿中にさつきちゃんから話を聞いて、私たちは決意した。私たちの我が儘はもう終わり。
茉実「朱音のこと、本当に好きなの?本当に朱音を幸せに出来るの?」
キセキの世代に会った私は、一人一人に同じ質問を繰り返した。
「「「「「「もちろん(です)(なのだよ)(だよ)(だ)(ッス)(~)」」」」」
そして返ってきた言葉は全員同じだった。彼らになら朱音を任せてもいい、そう私たちは答えを出した。迷いなく言った彼等を信じてもいいと思った。
茉実「…朱音を泣かせたら、私たちが許さないから」
私がそういうと、彼らは不敵に笑って見せた。
茉実「だけど、そう簡単に私たちから朱音を奪えると思わないでね?全力で邪魔するからね」
少しくらいの我が儘は、言ってもいいよね?