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It’s a miracle!!!

第7章 文化祭という名の…


コートの中にいる朱音にまた視線を向ける。再びボールを持った朱音を、敵チームの背の高い人たちが3人で囲んでしまった。

客「トリプルチーム!?小学生の試合だぞ!」

どこからか声が聞こえる。トリプルチームというのは凄いことなのか、と隣にいる智也兄に聞こうとしたけど、智也兄は心配そうに朱音を見ていたから、私もおとなしく見守ることにした。朱音はボールを床にダムダムと着きながらニヤリと相手を見据えると、素早く動いて綺麗に相手を抜いた。

私はその時、全身に鳥肌が立ったのを感じた。朱音から目が離せない。彼女の背中に大きく掲げられた4という数字がとても大きく見えた。心臓がうるさい。ドクン、ドクンと全身に波が打つようだった。そしてそのまま、朱音のチームは勝った。

試合が終わっても私たちは全員その席から離れなかった。試合が終わると朱音が戻ってくるはずだったから。そしてその朱音は今、表彰台の上に登って、賞状とメダルをもらっていた。パチパチと鳴り響く拍手が終わってから数分後、朱音が嬉しそうにこちらに走ってきた。私の名前を呼びながら。

『茉実ー!来てくれたんだね!良かった!あたし、優勝したよ!茉実が来てくれたおかげだよ!今までごめんね』

朱音は泣いていた。いつからか見ていなかった朱音の涙に釣られてか、私の眼からも涙が溢れてきた。

茉実「朱音、本当におめでとう!すっごくかっこよかった!私も本当にごめんね。私、嫉妬してたんだ。私の知らない朱音が私の知らない人と楽しそうにしてたから。いつか私を追いていっちゃうんじゃないかって。でも、私間違ってた。私、朱音と一緒にバスケがしたい!朱音と同じ場所に立ちたい!」

『茉実…!うん、一緒に頑張ろうね!』

私たちは泣きながら抱き合った。

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