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It’s a miracle!!!

第7章 文化祭という名の…


あたしの大好きな大親友、朱音。朱音はいつも優しくて、強くて、真っ直ぐだった。幼稚園からの付き合いだが、その頃は朱音も普通の女の子だった。どこにでもいる、よく笑い、よく泣く可愛い女の子。だけど小学校4年生になると、朱音は少しずつ変わっていった。彼女の眼には強い光が灯り、そして泣かなくなった。いつも一緒にいた私たちだったけど、ある時間はいつも別々の場所にいた。それは朱音がバスケをしにクラブチームに行っている時間。私はバスケなんてやったことも無かったし、何より興味が無かった。どちらかと言うと、皆と遊ぶことの方が楽しかった。

そんなある日の土曜日。朱音の家に遊びに行くと、どうやらクラブの練習に行ってしまった朱音。兄の智也君に教えてもらった私は、仕方なく家に引き返した。お昼ご飯は持っていってないよとも教えてもらい、朱音が通るのを部屋のベランダから見て、待っていた。私たちが通う小学校には、朱音は私の家の前を通らなければ着かない。正午を告げる鐘の音が家から聞こえると、私はまだかまだかと朱音の姿を探した。

暫く待っていると聞きなれた声が聞こえる。間違えるはずもない、大好きな朱音の声だ。私は嬉しくなって声をかけようとして、やめた。だって朱音の隣には…

女の子「朱音の家、初めて!」

男の子「昼飯まで作ってくれるなんて、ラッキー!」

女の子「散らかしちゃダメだからね!」

男の子「なー、まだなのかー?」

『あと少しだよ!』

たくさんの人がいた。私の知らない人たちばかり。全員が同じスポーツバックを持っていることから、バスケの人たちなんだろう。その人たちの中心で朱音が楽しそうに笑っている。隣にいる女の子たちは嬉しそうに、男の子たちは頬を赤く染めて朱音を見ている。

茉実「朱音っ!」

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