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It’s a miracle!!!

第7章 文化祭という名の…


とりあえず帝光の帝光のブースをのんびりと歩く。内心では、さつきを必死に探しながら。さつきはせっかく仲良くなった茉実たちに、自分がいじめに合っているとは知られたくなかったみたいで、自分からは何も言わなかった。だからあたしも何も言えなかった。

「朱音さん!」

声が聞こえた方向を見ると、テツ君が執事のような格好をしていた。彼の持っている看板には"エレガントde CURRY"と書かれた看板を持って立っていた。

『テツ君!テツ君のクラスはカレー屋さんなんだ!その格好もすごく似合ってるよ!』

「ありがとうございます。もしよければ食べていかれませんか?」

『気持ちはありがたいけど、あたしはお腹いっぱいで…茉実はどうする?』

茉実に目を向けると、真っ直ぐにテツ君を見ていた。そしてテツ君も茉実を見返す。茉実?と声をかけようとしたけど、それは出来なかった。茉実のこんな真剣な姿は、コートの中でしか見たことがない。茉実はテツ君を連れてどこかに行ってしまった。少し待っててと残して。

暫くすると茉実とテツ君は帰ってきた。二人とも神妙な表情で。じゃあ行こうかと茉実に促される。慌ててテツ君を見ると、テツ君は少し嬉しそうな顔であたしたちを見送ってくれていた。不思議に思って、何を話したの?って尋ねてみたが、茉実は何でもないと言ってあたしの腕に抱き着いてきた。

それから占いのために黒マントを被った真ちゃん、将棋部にて道場破りをしている征ちゃん、何もすることなくぶらぶら歩いていた大ちゃん、自分のクラスにて青年将校風の衣装を身に纏った涼君と、何故か女物のドレスを着たあっくんにも会った。だけどテツ君の時と同じように茉実がどこかに彼らを連れて行くと、みんなスッキリした顔で帰ってくるのだった。
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