第7章 文化祭という名の…
征ちゃんと中庭の近くの教室に入ると、もう皆がいた。大事なことだけを再確認する。ちなみに今はミスコンとミスターコンの打ち合わせ。生徒会長であるあたしと征ちゃん。副会長である翔君と谷山君の他に実行委員である牧田さんと梶木君がいる。
牧田「じゃあ予定通り、司会進行は生徒会長のお二人と私たち実行委員、参加者の誘導を副会長のお二人にお願いします」
牧田さんの言葉に全員が頷く。そしてマイクを手渡される。
梶木「あれ?お二人は制服に着替えないんですか?」
『あ、あたしたちは今日と明日は見つけやすいように生徒会のTシャツを着ることになってるんだ。ダメかな?』
梶木「だだだだめじゃないです!」
梶木くんは顔を真っ赤にさせながら必死に否定した。そう、あたしたち生徒会メンバーは、バンドで使用したTシャツを来ていた。もちろん汗をかいたから別のモノを。
「ではそろそろ行こうか、朱音」
征ちゃんの横を歩く。そしてミスコン、ミスターコンが始まった。
梶木「じゃあ次のエントリーに行きましょう!エントリーNO,11番!帝光中2年、黄瀬涼太君です!」
涼君の名前が出たと思ったら、派手に着飾った涼君が出てきた。うん、何かもう凄い服装。征ちゃんを見ると、珍しく頭に手を置いて溜息をついていた。
「朱音っちー!どうっすか、この格好!かっこいいッスか!?」
「「「「「「かっこいいー///」」」」」」」
「皆、ありがとーッス!で、朱音っちはどうッスか?」
『は、はーい!黄瀬君は元気がいいですねぇ!どうですか、赤司君!』
「そ、そうだな。他人であっても目を引く格好だ」
征ちゃんんん!それって遠回しに涼君に他人であってほしいって言ってるようなものだよ!
「赤司っちひどいッスー!朱音っちはどうッスか!?」
『ええええっと、すごい個性的で遠くで見てても黄瀬君だって分かるようですね!』
「うわーん!二人ともひどいッス!」
黄瀬君は泣きながら走り去っていった。会場からは笑いが零れる。現状が理解できないでいると、征ちゃんに耳打ちされた。
「それじゃあ涼太の近くにいたくないって意味と同じだ。僕も朱音もさすがに涼太のあの格好には驚いたということか」
…どうやら公正な感想をと思い慌てて考えた結果、失敗した様子です。涼君、ごめん。