第2章 鈴城中学校女子バスケットボール部
マジバは思ったよりも混んでいた。…かに見えた。蟹?ううん、混んでいたように見えた。の、かにね。うん、だって実際には席はまだまだ余っていたし、店もそこまで狭くはない。
それなのに。
それなのに。
なぜ狭く見えるのか。
答えは簡単だ。
凜子「…なんか、でかくね?」
そう。凜子正解。いっつもテストで悲惨な点数とってる凜子だけど、今回ばかりは正しいよ。
今、マジバにいる客…その中の頭がやけにカラフルな集団が高身長なのだ。全員ってわけでもないけど。その中にいる赤と水色の子は…捺美と一緒くらいかそれより少し高いかくらい。紫の髪の子なんて脱帽モノだよ。…身長高いくらいで脱帽なんてしないけどさ。
『…はっ!さ、みんな行こう!メニュー決めてさっさと食べてしまおうね』
藍「はーい!って捺、はやっ!」
一番にレジに並んだ捺美を先頭にぞろぞろと移動する。
あの制服、たしか帝光のだよね。あれ?帝光の男バスって通り名あったよね?何だっけ。…まあいいや。あとで藍にでも聞こう。
暫く考えていたけど諦めたあたしは、そこまで男子バスケに興味は無い。戦ってみたいとは思うけど。と、更に考えていたあたしは、こちらを見る視線に気づかなかった。