第7章 文化祭という名の…
射撃屋が開演してから約30分。まさかのまさかであたしたちのクラスは大繁盛していた。余裕をもってかなりの景品を用意していたが、午後を過ぎると今日の分は無くなりそうだった。
愛海「朱音が教室にいてくれるだけでどんどんお客さん入っていくよ!」
『あたしは何もしてないよ。それより凄い人だね。やっぱり合同になると人数が…』
増えると言おうとしたが、廊下から聞こえてきた黄色い声によってかき消された。何事かと思ったが愛海が見てくると言ってあたしは教室に残った。そして数分後、愛海が顔を真っ赤にさせて帰ってきた。
『愛海?どうしたの?』
愛海「きききききっきせ!きき…」
『愛海!?きせ…?』
きせという単語は一つしか知らない。黄瀬涼太君。彼しかいない。あ、そう言えばモデルやってるって言ってたような。それで女の子が溢れてるのか。と思っていた。
愛海「キセキの世代がっ!」
…Oh。全員集合デスカ。彼らの噂は聞いていた。涼君を筆頭にイケメン最強スポーツマン集団。まあ確かに顔はかっこいいと思うけど。てかバスケやってない人でも知ってるなんて、キセキの世代恐ろしいな。
使い物にならなくなってしまった愛海を座らせて、代わりに客を裁いていく。すると帝光の制服を着た男性に話しかけられた。
男生徒「若槻朱音ちゃんだよね?さっきの歌、すっげー綺麗だった!俺、ファンになったんだ!」
『あ、ありがとうございます…』
さすがにいきなり名前も素性も知らない人に話しかけられて易々と打ち解けれるほどタフじゃない。