第7章 文化祭という名の…
~7.文化祭という名の…~
合宿が終わってから今日まで本当にあっという間だった。そう、今日は帝光中と鈴城中による合同文化祭、帝城(ていじょう)祭の一日目を迎えていた。この帝城祭は帝光中で二日間行われる。今日はあたしたち生徒会によるオープニングから始まり、中庭を使用して生徒会と実行委員が務めるミスコン、ミスターコンが行われる。その他にも催し物はあるが、それは生徒会は関係無い。各クラスは今まで準備してきた模擬店を出店しており、その中で行われるというありきたりな流れだ。
既にオープニングセレモニーを行うべく、体育館には帝光と鈴城の全生徒と全職員が集まっていた。さすがにフロアには全員は収まりきらないため、ギャラリーにまで生徒は溢れかえっている。ここは第一体育館であるが、本当に大きい。これには少し劣るが、十分な大きさの体育館が後3つもあるってんだから恐ろしい。さすがマンモス校。
翔太「えー、静かにしてください。間もなく帝城祭を開催します。もうしばらくお待ちください」
翔君(準備中に仲良くなってこう呼んでいる)の声が体育館に響き渡り、辺りは静まり返る。
小畑「これより、第1回帝城祭を始めます。それでは初めに、鈴城中学校生徒会長、若槻朱音より、開会の挨拶です」
帝光の会計である小畑さんに呼ばれ、あたしは舞台袖から出た。キャーとか、会長ー!とか囃し立てが聞こえてきたが、もう慣れてしまった。けれど前列の人たちからあれ?などとの声も聞こえ始め、会場全体あたしの違和感に気づき始めた。そう、あたしは今制服を着てない。正確には下はショートパンツ、上には帝城祭とプリントアウトされた黒いTシャツを着ていた。
『お静かに。この度は初めての合同文化祭ということで…ってせっかくの楽しい文化祭なんで堅いことは無しにします。長いようで短い準備期間の中、皆さんお疲れ様でした!帝光の人は知らないと思うけど、あたし実はあそこにいる先生に無理矢理生徒会長にされたんです』
先生を指すと会場に笑いが起きる。