第6章 合宿
「やはり君は面白い。この企画書で問題はない。後は僕が体育館の使用許可を受理しておこう」
『話が早くて助かるよ、赤司君』
それより僕が気になっていたのはテツヤとのこと。
「テツヤとは名前で呼び合う仲なんだな」
『あぁ、小学校とクラブチームが同じだったからね』
「そうらしいな。それより、朱音。僕の名前を知っているか?」
すると彼女はクスリと笑う。
『うん、分かってるよ、征ちゃん』
分かってないじゃないかと言えば、彼女は男に対して呼び捨てで呼ぶことには抵抗があるらしい。ならば君呼びでもいいだろうと思ったが、口には出さなかった。せっかく彼女、朱音が考えてくれたのだから。
それからすぐに、お風呂に入ろうとしている真太郎たちが来た。皆僕たち、いや、朱音を見つけると一直線にやって来た。
「お前たち、今から風呂か?なら僕も行くから少し待っていろ。それじゃあ朱音、この企画書は確かに受け取ったよ」
「「「「「朱音!?」」」」」
『うん。後はお願いね。それとお喋りに付き合ってくれてありがとう、征ちゃん』
「「「「「征ちゃん!?」」」」」
全く、騒がしい連中だ。それでも僕は今機嫌がいい。多少のことは許してやるよ。着替えを準備してくると告げ、僕はその場を後にした。