第6章 合宿
午後の練習は皆いい感じに集中していた。昨日からひたすらこなしてきた朱音特性短時間集中型トレーニング。これは合宿のように長時間一気に行うことで完成する。あたしが考えている練習メニューの中でも好評なメニューだった。冬休みと春休みに行った合宿でも効果は十分に出た。
「面白い練習をするね。君が考えたのか?」
『うん!一人一人に合わせたメニューと飽きさせない様に面白さと目標を定めることで効率的に…って赤司君!?』
皆の練習を見ているといつの間にか隣には赤司君がいた。驚いて帝光のコートを見ると、カラフルな頭がこちらを見ていた。その中の一人、黄瀬君があたしに手を振っている。苦笑しながらも手を振りかえすと何やら青峰君に伝えていた。
「さすがだな。きちんと考えられている。僕には考えもつかないような練習ばかりだ。実に興味深い」
『ありがとう。で、どうしたの?そんなことを言うために来たわけじゃないんでしょ?』
赤司君は嬉しそうに笑う。やはり君との会話は面白い、と。
「実は明日の合宿最終日に、鈴城と帝光とで練習試合を行おうかと思ってね」
『…凄く面白そうなこと考えるね。だけどお断りします』
「…どうして?メリットはそちらにもあるはずだが?」
赤司君はムッとしたように答える。