第6章 合宿
おはようございます。黒子テツヤです。合宿二日目の朝を迎えました。僕たちの練習は朝食から始まります。
「全員揃ったな。今から朝食をとる。最低3杯はご飯を食べるように。食べられなかった者は今日の練習メニューは5倍だ」
「「「「「「「「「「うす!」」」」」」」」」」
…死にました。
「おいテツ、大丈夫か?」
「無理です。もうギブです」
「黒子ーっち!まだ1杯目じゃないッスか!」
「だから背が伸びないんだよ、黒ちーん」
「全くなのだよ。人事を尽くせていない者に天命は来ない」
「テツヤ、残したら分かっているね?」
何故か機嫌が良い青峰君、黄瀬君、紫原君、緑間君と昨日から機嫌の悪い赤司君の厳しい声が降ってくる。理由はどれも同じ。若槻朱音さんだ。そして、僕には彼らには隠している秘密が一つ。
『おはよう赤司君。ご飯中だけど少しいいかな?体育館のことなんだけど』
「おはよう。構わないよ」
そして青峰君たちも口々に彼女に挨拶をする。
『ステージ側か入口側、どっちがいい?管理人さんからもらった紙には反面としか書いてないんだよね』
「そうだな。僕たちが入口側がいいな。今日は特に外と中の出入りが多くなるだろうから」
赤司君が黒く笑った。そしてキセキの世代の彼らでさえも青くなる顔色。僕は吐きそうになった。
「テツ!?やべぇ、テツが練習を思い出して吐きそうだ!」
『大丈夫?テツ君』
彼女から発せられた言葉により、慌てていた彼らの行動がピタッと止まる。そして一気に全員の視線を集めることになった。
「すみません、大丈夫です。ありがとうございます、朱音さん」
『ならいいけど。あまり無理はしないようにね。じゃあ赤司君、あたしたちがステージ側を使うね』
「あ、あぁ…」
あの赤司君でさえも驚いている。そして
「「「「「どういうことだ!」」」」」
と予想していた質問を全員から投げかけられた。