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It’s a miracle!!!

第6章 合宿


彼女と別れて一旦部屋に戻り携帯を確認すると、学校の女の子たちからすごい量のメールが来ていた。一通目を開くと頑張れという内容のメールがたくさんのハートと共に画面に表示されていた。軽く溜息をつくと、二通目、三通目と目を通す。内容は全て似たようなもの。最後には本文を開かずに、携帯を閉まった。

風呂に入ろうと思い皆を訪ねると、もう既に入った後だったようだ。仕方なく一人で風呂場へと向かう。大きな戦闘を一人で使用し、まるで貸切だなんて思いながらゆっくりと温泉につかり、疲れを癒す。すると彼女の顔が頭を支配したが、ゆっくりと消す。まさか一目惚れでもしたのか、なんて思ったがその考えは消した。一目惚れはされても自分がすることはないと思ったから。それに、今は俺がモデルをしていることを知らないから、彼女は騒がないだけ。きっと俺がモデルということを知ったら他の女の子のように尻尾を振ってくるに違いない。

「…なーに考えてるんスかね、俺は」

自分の声が響くのを聞き、自嘲気味に笑うと俺は風呂場を後にした。風呂からでると、マッサージチェアを見つけ、暫く堪能させてもらった。機械特有の気持ちよさを感じ、何も考えずにボーっとしていたら、11時を告げる鐘の音が聞こえた。もうこんな時間か。明日の練習に響くと思い、ホールを通って部屋に戻ろうとしたところに、またもや彼女の姿を見つけてしまう。

「こんな時間まで何やってるんスか?」

『あ、黄瀬君。さっきぶり。ちょっとやることがあって。同室の部員の睡眠妨害するわけにはいかないからね。黄瀬君はお風呂?風邪引かないようにね』

大丈夫、髪はドライヤーで乾かしたッスから、と言うと彼女はクスクスと笑う。何をしているか興味を覚え、一言断りをいれてから彼女の向かい側に座る。

「で、何やってんスか?主将で監督の若槻サンがこんな時間まで起きてていいんスか?」

現在夜の12時前。合宿の朝は早いはずだ。

『寝たいのは山々なんだけどね、そう簡単には寝れないの』

彼女の手元にあるノートを覗く。そこには部員一人一人の名前に加え、事細かくいろんな情報が書かれていた。

「それ全部若槻サンが書いたんスか!?」

『まさか。これはマネージャーの子がやってくれたんだよ。これを見て今日のあたしが見たイメージと照らし合わせ、明日の練習メニューを作ってるの』

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