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It’s a miracle!!!

第6章 合宿


青峰君との1on1を十分に楽しんだ後、ご飯の時間がギリギリだと気付いたため、部員全員に撤収命令を出した。帝光も同じように練習を切り上げていたが、あたしたちの方が先に終わったため、お先にと体育館を後にした。そして帰り道。何故か皆お通夜状態だった。

『えーっと…あれ?あたし一応勝ったんだけど?何でそんなに暗いの?』

割と明るめの声で、全員に聞こえるように大きな声で言った。

捺美「…朱音が悪いわけじゃないよ」

雅「うん。むしろよくやったって褒めるところだもん」

何故か皆、歯切れが悪い。褒めるなら褒めてください!それか教えてください!この空気はもう耐えられません!ていうか誰か話題変えてェ!

汐音「ねぇ、朱音。私たち、朱音の邪魔になってない?」

『え?何でそんなこと言うんですか?』

茉実「だって…強いとは知ってたけど、あそこまで強いとは知らなかったし、見たこともなかった。それに…」

凜子「あんなに楽しそうにバスケをする朱音、初めて見た」

なるほど、青峰君とのゲームで考えなきゃいけなかったのは、彼のことだけじゃなかったみたいだ。これは完全にあたしの失態。

『ごめん、そこまで頭回してなかった。とにかくあたしは青峰君を助けたかったんだ』

藍「…助ける?」

『うん。きっと青峰君はバスケがつまんなかったと思う。割とあることなんだよ、スポーツってのは。スポーツにおいて、どうしても自分ではどうにも出来ない問題があるんだ。それは何だと思う?』

茉実「うーん…やっぱスキル?どうしても出来ない技ってあるし」

『スキルは時間をかけて肉体を変えることに成功すればいくらでも手に入るし、努力すればそれほど結果はついてくるよ。それは皆が一番分かってるはず』

あたしの言葉に誰もが黙る。
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