第21章 エピローグ 全ての人達へ
~21.エピローグ 全ての人達へ~
美愛、愛希「パパ、ママ!頑張ってね!」
可愛い美愛と愛希も言葉がかなりしっかりしてきた。そんな2人から何よりもパワーが出る言葉をもらい、征ちゃんと一緒にコートへ向かう。今日は世界大会の決勝戦、アメリカとの試合だ。
「今日の相手はアメリカ。1回勝っているからとは言え、今年のメンバーは去年戦った時よりも遥かに強い。慢心なんて絶対に見せるな。負ける事は許さない」
「「「「『はい!』」」」」
「それじゃあキャプテンから一言」
『はい!』
あたしの背中には昔と変わらない、"4"という数字。やっぱり朱音には4しか似合わない、なんて茉実からお墨付きをもらったくらいだ。
『監督も言ったけど、隙なんか絶対に見せない事。…って言ったけど、監督が見てるんじゃアメリカ相手じゃなくても隙なんて見せられないよね。というわけで、やる事は1つ!全力でプレイすること!大丈夫、あたし達は今まで監督のきついきつーい練習にも耐えてきたんだから!絶対に勝てる!』
「…朱音、君は僕に喧嘩を売っているのか?よし、それじゃあ次の練習の時は10倍メニューだな」
『それは勘弁!征ちゃんの鬼!』
茉実「はいはい。夫婦漫才はもう見飽きたから」
チーム内でクスクスと笑う声が聞こえる。征ちゃんを見ると、お互いにぷっと吹きだした。
試合が始まると征ちゃんの指示が飛び、PGであるあたしがゲームメイクを行う。3回目となるこのチームは、すごくやりやすかった。
そしてあたし達日本女子バスケットバールは世界に衝撃を与えた。世界大会にも3連覇し、アメリカを抜いて世界王者へと君臨した。