第20章 新しい家族を作りましょう
2年後
『征ちゃーん!美愛(みあ)と愛輝(あき)の着替え頼んでいいー?』
「あぁ。美愛、愛輝。こっちおいで」
愛輝「あー♪」
「いい子だ。ほら、美愛もおいで」
2年前、あたしは2人の子供を出産した。男女の双子として産まれてきた、あたしたちの大切な美愛と愛輝。
美愛はあたしの栗色の髪と色素の薄い眼を受け継ぎ、征ちゃんの綺麗なつり目を受け継いだ大人しい娘。先に産まれた事もあるのか、愛輝の面倒を見てくれるお姉ちゃんだ。遠慮しすぎているのがちょっと心配。
愛輝は征ちゃんの綺麗な赤髪と赤眼をしっかりと受け継いだ、あたしに顔が似てる元気な男の子。保育園でも先生から元気すぎるとお墨付きをもらったまでの活発さがある。
親2人の顔をちょうど足して2で割ったかのような、あたし達の大切な宝物。
「何か手伝うことはあるか?」
『大丈夫だよ。せっかくの休みなんだから、座っててよ。美愛と愛輝も待ってるよ?』
「それは朱音も変わらないだろう。それに、美愛と愛輝が待ってるのは朱音もだ」
だったら2人で早く終わらせるべきだろう?と言う征ちゃん。まだ少し幼さが残った征ちゃんの笑顔は、心をキュンと締め付ける。そしてどちらからともなくキスをする。
『ふふっ…大好きだよ、征ちゃん』
「僕も大好きだ、朱音」
ジーっと2つの視線を感じる。驚いて見ると美愛と愛輝だった。親になったため、子供の前ではキスはやめようってなってたのに!
『み、美愛ちゃん愛輝君?どうしたのかなー?』
愛輝「あのねー、パパとママが来なかったから!迎えに来たの!」
「あ、ありがとな、愛輝。じゃあパパと一緒に先に向こうに行こうな」
だけど美愛と愛輝は動こうとしない。可愛い顔であたしと征ちゃんを見た後に互いに顔を見合わせ、同じようにどちらからともなくキスをした。
「『美愛!?愛輝!?』」
美愛、愛輝「これで一緒!」
あたしと征ちゃんは再び顔を見合わせると、クスリと笑った。そして片付けを済ませ、4人でリビングに移動する。2人で楽しく遊ぶ姿をソファーに座って見守る。
『さっきのはさすがにビックリした』
「僕もだ。けど、僕達の子供だったらあり得るのかも知れないな」
『親の思考回路が似てるからね』