第20章 新しい家族を作りましょう
「…はぁ、最早悪口しか言ってませんね。この厨二病は」
「だな。つーか俺この肌の色、別にコンプレックスじゃねぇし。チビと違って」
「…それは僕の事を言っているのか?」
茉美「他に誰がいるのよ。ほら、緊張してるのは分かるけどさ、朱音の傍にいてやりなよ」
もうあたし達仲間との間に言葉は必要ない。それほどまでに信頼できる。
医者「赤司朱音さんですね?こちらへどうぞ。旦那さんも」
捺美「朱音ちゃん、頑張ってね!」
「ありがとう、なっちゃん。じゃあ行ってくる」
『征ちゃん…手、握っててくれる?』
「もちろんだ。頑張れなんて安い言葉しか言えないが、頑張ってくれ」
『うん。…征ちゃん、笑ってて?あたし、征ちゃんの笑顔が大好きだよ。産まれてくる赤ちゃんにも、お父さんの素敵な顔を一番に見せたいの』
「…あぁ、約束しよう。朱音が安心出来るように、子供に見せるためにも」
それから約1時間後、元気な産声が病院内に響き渡った。