第20章 新しい家族を作りましょう

「だけど高校に上がり１年のWCが終わったあの時、僕達の何かが変わった。朱音に変えられた。そして僕達は再び繋がれた。

それは高校の仲間も同じだった。負けが許されないシビアな立場にいながらも、あの時から僕達の間には絆が出来た。

それもこれも全部、朱音のおかげです」

朱音と出会っていなかったら、僕は今頃１人で何をしているのだろうか。

「父上、貴方にはわかるはずです。朱音と会話をした貴方になら。

最初に言った通り、僕には貴方との思い出がない。心のどこかで、僕は貴方の事を恨んでいたかもしれない。けど」

けど、１つだけ言える事がある。

「けど、僕は父上の事を尊敬しています。僕をここまで育ててくれた事、僕を産んでくれたとこ、朱音!と会わせてくれた事を感謝しています。

だから、今からでも遅くはない。僕ともう一度家族を作りましょう。朱音と僕と、朱音の家族と」

赤司父「征十郎…」

「今まで作れなかった思い出をもう一度、皆で。

父上…いや、父さん。今まで育ててくれてありがとう。僕は朱音と家族を作ります。優しいお爺ちゃんになってください」

いつか僕と朱音との間に大事な子供が出来た時、もう僕みたいな寂しい思いはさせないように。