第6章 合宿
せっかくの彼女との空間を邪魔された僕は機嫌が悪くなっているのが自分でも分かった。彼女が言った何気ない一言が僕を最高の気分にしていたのに。
楽しみにしていた彼女のバスケに取り組む姿勢を見れた。想像していたよりもずっと綺麗で強くて柔らかかった。いつもとは違う髪型も、十分に僕の心を掻き乱した。
「赤司っちー!」
涼太の声に振り向けば、そこには見慣れた顔がいた。
「うわ!近くで見たらもっと可愛いッス!青峰っち、前に見てた子ってこの子ッスよね?」
「えー!青峰くん、朱音ちゃんのこと狙ってるの?青峰君にはもったいないよ!」
「さつきテメーどういうことだ!あれは俺じゃなくてテツが見てたんだよ!」
「僕は別に見てなかったです」
「ねー赤ちーん。この子たち誰~?」
「お菓子をこぼすな。彼女は知っているのだよ。鈴城中の生徒会長だ」
若槻は急に現れた真太郎たちに臆することもなく、淡々と自己紹介を始めた。彼女に連れられて鈴城中の奴らも自己紹介をはじめ、それが終わると帝光のレギュラーたちも自己紹介を始めた。
藍「朱音。そろそろ休憩終わるよ」
『あ、うん!じゃあ赤司君、それに皆さん、合宿中は会うことも多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします』
彼女は今まで僕だけに向けてくれていた笑顔を真太郎たちにも向ける。
茉実「よろしくしなくていいからね~」
凜子「そーそー!さ、練習練習!」
若槻は立花たちに連れて行かれた。僕たちも戻った。