第6章 合宿
赤司君の背中をゆっくりと押す。男の子は体が硬いというけれど、赤司君はひたすら柔らかい。けれどTシャツから触れる赤司君の筋肉については、やはり男の子特融のモノだった。
『そう言えば、どうしてここに?』
「あぁ、僕たちは今日から3日間ここで合宿をするんだ。今日は近くの学校で練習試合した帰りでね。あまりにもミスが目立ったから、軽めのはずの練習もきついモノへと早変わりさ」
うん、赤司君からすごく黒いオーラが出てるように見えるのは気のせいだよね。そう信じたい。
『そうなんだ。あたしたちも今日から3日間合宿なんだ。この計画立てたのって赤司君?』
「そうか。僕が立てたよ。何か問題でもあったか?」
『ううん!あたしもあたしが企画したからさ、やっぱ思考回路一緒なんだね!』
と言うと。一瞬赤司君の体が硬くなった。赤司君?と尋ねると何でもないと答えるだけで、いつもの赤司君に戻ったようだった。
藍「はいストップ―!」
茉実「あはは、そこの無表情君。朱音はだめ」
凜子「そのあだ名結構いじめ!でも本当に朱音は私たちのだから」
優希「あなたたちには渡せないわ」
捺美「朱音ちゃん、こっちおいで」
雅「今すぐ離れて!」
「…なんだい君たちは」
あたしは深く溜息を吐くと、合宿が一緒になって挨拶にきただけだと伝えた。
『ごめん、赤司君。この子達も悪気はないから』
「君が謝ることじゃない。桃井が世話になったな。僕からも礼を言いたい」
茉実たちは頭に?を浮かべ、少しだけ理由を話した藍は何とも言えない顔をしている。
「赤司っちー!」
赤司君が呼ばれ、振り向くと黄色い頭をした人を先頭に何人かこちらに来ていた