第19章 あたし達は大人になった
WCが終了し、正月休みという事もあり僕は東京に残った。それは敦も涼太も同じで、今この地域にはキセキの世代が揃っている。
そして今日は恋人となった朱音の家に行き、朱音の父にその報告をする日。だけどその前に真太郎達がやって来た。
「どうしたんだ?僕はこの後大切な用事があるんだが」
「すぐ終わる。上がらせてもらうぜー」
いつもは溜息しか出て来ない大輝の行動も、なぜか今日はそんな気分にはならなかった。アイツラの目が真剣だったから。
「赤司、俺達は皆、朱音に自分達の想いを伝えたのだよ」
「分かりますか、僕達は皆赤司君に朱音さんを任せたんです」
「だったら赤ちんがやるべき事、分かってるよねー」
「…あぁ。朱音は必ず僕が幸せにしよう。お前達の分も、必ず」
「そんな当たり前の事は言ってねーんだよ」
「朱音っちを泣かせたら、いくら赤司っちでも許さねーッスから」
朱音はこんなにもアイツらに愛されている。そのアイツらが僕に朱音を任せてくれたのだ。
「約束する。朱音の笑顔を保障しよう。お前達の気持ち、無駄にはしないよ」
「「「「「もし泣かせたら、俺(僕)が奪(うのだよ)(うからな)(うッス)(うからねー)(います)」」」」」
本気になったアイツらの頑固さは僕が1番よく分かっている。…いや、1番は朱音か。
「その必要はないよ」
僕の言葉に真太郎達はやっと頬を緩めた。大丈夫、朱音の事は必ず僕が守ってみせるよ。
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