第19章 あたし達は大人になった
この地区の成人式は中学区域が鈴城と帝光の2校分となっている。会場に入ってしまえば落ち合う事は無理だろうと考えたあたし達は、かなり距離のある場所で集合していた。
茉実「智也さん、元気?」
『相変わらずだよ。けどやっぱ仕事の時は頼りになるかな』
藍「鉄平は?」
『トレーニングも頑張ってるよ。いっつも藍の写真見てはニヤニヤしてるけど』
優希「あの木吉先輩がニヤニヤ…それはちょっと怖いかも」
凜子「彼女の前で本音!」
捺美「朱音ちゃんはどう?」
雅「なっちゃん、それはどういう意味で?」
あたしは高校卒業後、景虎さんの元で勉強しトレーナーの資格を手に入れた。そしてお兄ちゃんと一緒に景虎さんのジムから独立し、兄妹2人で若槻ジムを経営している。てっちゃんは常連となっていた。
「元気そうでなによりなのだよ、朱音」
「よォ、朱音!」
「久しぶりッスね、朱音っち!」
「あー、朱音ちん可愛い~」
「お久しぶりです、朱音さん」
「朱音ちゃん!会いたかった!」
女バスメンバーで歩いてると、キセキの世代とテツ君にさつきが声をかけてきた。そして
「綺麗だよ、朱音。よく似合っている」
『ありがとう、征ちゃん。征ちゃんこそよく似合ってる』
それは征ちゃんも同じ。
「ちょっとー、公共の場でいちゃつくのは禁止ッス!泣きたくなるじゃないッスかー」
「黄瀬、少しは空気を読むのだよ」
「羨ましいか、涼太」
「赤ちん、少し柔らかくなったね~。これも朱音ちんのおかげかなー」
あたしと征ちゃんは高校1年のWCが終わったあの日、正式に交際を開始した。