第18章 そしてWCは伝説となる
梓「けど残り2分しか残っていないパーフェクトコピーをいきなり?ここで全て出し切るつもりなの?」
「いや、それも考えられるが黄瀬を見る限りそれはねぇ。おそらく最後まで保たせる気だ」
「うん。きーちゃんの体力は思ったほど落ちてはないよ」
辰也「そうなったら逆転は十分に可能だ」
『つまりこの戦いは、パーフェクトコピーを止めなければ勝てない』
止められるか、今の誠凛に。いや、それ以上に大きい問題がある。それに拍車をかけるように、今流れは完全に海常にある。TOを誠凛がとり、おそらく同じ事を話しているだろう。けどリコさんのあの表情、きっとまだ壁に気付いていない。
そしてTOあけ、DFでも征ちゃんの天帝の眼を使ってきた。テツ君がカバーするが、日向先輩の3Pは森山さんの爪を掠めた。が、戻りも早くカウンターは防ぐ。そしてテツ君が涼君のマークについた。
茉実「これは…?まさか最初にやった、わざと抜かせて火神君で止めてからのバックチップ…って同じ技はないよね?」
『!…そういう事か。狙いは次だよ』
テツ君を抜き大我君がヘルプに入ったところで、伊月先輩のイーグルスピアが狙う。
辰也「これは…黒子、火神、伊月のトリプルアタック!」
「空いてるのは左…だがテツはわざと右から抜かせ、黄瀬は重心が右に残っちまってる。今から切り返すんじゃ遅すぎる」
タイミングは完璧、逃げ道なんてなかったはずだった。けど涼君はその場で回転して笠松さんへのパスを出した。
『これはテツ君のパススキルの応用…ノーモーションからスピンの遠心力を利用してパスを出すなんて…』
そして最後はアリウープを決める。すでに1桁差になっていた。
「何をしたって無駄っスよ。今の俺は誰にも止められない」
宗助「すげェ…今のでも止められないのかよ」
『…止められないだけなら良いけどね』
凜子「朱音が言ってたのはこの事だったんだね」
兄「?」
辰也「誠凛はすでに負の連鎖にはまりつつある。このままだと海常に一気に飲み込まれるぞ」
言葉通り、誠凛は本来の動きではなかった。伊月先輩のパスは捕ってくれと言わんばかりに見え見えだった。そして涼君はファントムシュートまでコピーした。